【医師が解説】子供の包茎でよくある2つのトラブルとは?
「子供の包茎は放っておけば治る」は大きな間違いです。特に、いま現在包茎の状態の成人男性は、「放っていても治らなかった・・・」と後悔されているケースも少なくないでしょう。
今回は、「子供の包茎とトラブルの対処法」を考察しましょう。
この記事の目次
子供の包茎は何歳まで?
「子供の包茎」とは何歳までの子供を指すでしょうか?「子供のうちに自然に治す」ということを前提に考えるならば、10~12歳前後くらいまでかと思います。
中学生の年齢で包茎の場合、そこから急にペニスが成長し皮がむけ、皮の余りがなくなるほどペニスの長さが伸びる、とはとうてい考えにくいです。
自然に治すことができる子供の包茎は、年齢的に10~12歳くらいがリミットとお考えください。
子供の包茎で起こりやすいトラブル
子供の包茎で起こりやすいトラブルとして、「炎症」と「皮が戻せなくなる」ことが挙げられます。
皮をむいて洗う必要性をご存知ないお母さんたちも多く、尿や汚れがたまり続けることによって亀頭や包皮、尿道が炎症を起こすケースがあります。
また子供が興味本位で締め付けが強いにも関わらず無理やり包皮をむき、戻せなくなって亀頭がうっ血状態となるケースもあります。中には恥ずかしくて親に言えず、非常に危険な状態となってからクリニックへ来られることもあります。
包茎でおしっこがしにくい子供も治療する必要はない?
おしっこが出にくい包茎の場合、包皮の出口が相当狭いことが考えられます。時折成人男性でもいらっしゃいますが、尿が穴からそのまま出ず、包皮の中で風船のようにたまった状態の後、ちょろちょろと出てくるケースがあります。
真性包茎、重度のカントン包茎のケースが多く、ペニスを下着にしまったあとに尿が漏れるだけでなく、腎機能に影響が出る、不衛生で炎症を起こしやすいなどのトラブルのもととなります。
ステロイド軟膏など子供の包茎の治療法
皮の先端が狭くて包皮がむけない包茎の場合、泌尿器科などではステロイド軟膏を塗布する治療法を提案するケースがあります。
ステロイド軟膏の塗布によって包皮の狭い部分を軟らかくし、包皮をむけやすくする方法です。6か月ほど続けても好転しない場合、包茎手術をおすすめいたします。
手術できる子供の包茎は真性のみ
子供の包茎が心配で一般病院へご相談なさる親御さんも多いですが、泌尿器科などのドクターは「思春期まで待ちましょう」と診断するケースが多いようです。
よほど重篤な真性包茎であれば早い段階での手術もすすめるようですが、多くは「これから自然に治る」との判断をするようです。
ただ、親御さんが積極的に皮をむくことを続けておかない限り、ほとんどの場合包茎の状態が維持されます。包茎手術後は一定期間動き回らない、ぶつけないなどの注意が必要となります。
子供の場合、それらの注意事項が守れないために、包茎手術をすすめない一般病院のドクターが多いのだと思われます。
まとめ
- 子供の包茎は、10~12歳以降は自然に治る可能性は少なくなる。
- 子供の包茎で多いトラブルは、「洗えないために炎症を起こしやすい」「興味本位で皮をむき戻せなくなり、亀頭がうっ血する危険がある」というものが多い。
- 皮の出口が狭すぎることで、おしっこがしくい包茎は要注意。
- 皮がむけない子供の包茎の場合、ステロイド軟膏を一定期間塗布することで皮膚をやわらかくすることでむける可能性もある。
- 一般病院のドクターは重度の真性包茎の場合のみ、子供の包茎手術を行うケースが多い。
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