【検討者必読】仮性包茎とは?プロが教える原因とリスク
こんにちは、船橋中央クリニック・青山セレスクリニック東京青山院・青山セレスクリニック埼玉川口院の理事長 元神賢太です。外科医を20年近くやってきて、1万人以上の仮性包茎を見てきました。治療にやって来る方の実に8割は仮性包茎について正しい知識を持っていないままご来院されるのが現状です。
ここではそんなわかっているようで知られていない仮性包茎について、詳しく解説します。
この記事の目次
仮性包茎とは?
包茎でもっとも有名な状態である仮性包茎。実に日本人の8割は仮性包茎、と言われています。わかりやすく表現すると、「皮が多くてかぶってはいるけれど、容易ににむける状態」です。むければいい、とお考えの方もいらっしゃいますが、手術をお受けになる方が多いのは仮性包茎の状態です。「むけているメリット」と「かぶっているデメリット」を痛切に感じているからとおっしゃる方が多いですね。
この「皮が多く余っている状態」と「むける状態」にはいくつかの段階があります。皮の余り方は、
- 亀頭の出っ張りであるカリ首に乗っかる程度
- 亀頭の半分までかぶる
- 尿道の下までかぶる
- 先まですっぽりかぶる
に分かれます。皮のむけ方もすべて同じではなく、皮の出口の締め付けの度合いがゆるいものからややきついものまで、いくつかのタイプに分かれます。日本人の6~8割は仮性包茎だ、と言われていますが、1万人以上の仮性包茎を見てきた私の経験からざっくりと上記の4分類の比率を分けると、以下のような比率ではないかと思われます。
また、それぞれのタイプの中でおよそ2~4割の方が治療をされますので実態としては治療後を含めるともう少し仮性包茎の方は少なくなります。ちなみに、真性包茎やカントン包茎は1%と言われていたりしますが、実態としてはもう少し多く1割程度だと思われます。
亀頭の出っ張りであるカリ首に乗っかる程度(全体の10%)
皮の余りがカリ首に乗っかる程度であれば「軽度」と言えます。皮の出口の締め付けもほとんどなく皮膚の厚みもなければ、スムースにむけてカリ首にひっかかる状態になります。
亀頭の大きさにもよりますが、いわゆる「むけた状態」がキープできていれば、軽い仮性包茎です。日常生活には影響はないものの、カリ首が常に皮で守られていることが原因で早漏(そうろう)であるケースが多いため、このタイプにおいて治療を希望なさる方は20%(5人に1人)程度だと思われます。
クリニックへ診察カウンセリングへお越しになる方の中には、この軽度の仮性包茎の状態で手術をを受けるか迷っている方がおられます。そのような場合、早漏や性病の悩みがあればおすすめしますが、それがない場合はその場での治療をおすすめせず、再度ゆっくりとご検討なさることをおすすめしております。
亀頭の半分までかぶる(全体の15%)
亀頭の中央部分までかぶる状態は中度の状態です。中度から重度の仮性包茎は皮をむいた状態をキープすることが難しく、むいたままペニスを下着にしまっても立ち座りや歩いているうちにかぶってしまいます。
陰毛を巻き込みながらかぶることが多いため、痛みや不快な感じから手術を希望なさる方もいらっしゃいます。亀頭が半分以上かぶると尿、汗、汚れによってむれやすいため不衛生でにおいが出やすいことが原因で手術を決意なさる方が少なくありません。このタイプにおいて治療を希望なさる方は30%(3人に1人)程度だと思われます。
尿道の下までかぶる(全体の25%)
尿道の少し下までかぶる状態を、重度と扱います。ペニスの7割方がかぶっており、皮の量の多さからむいてもすぐ戻ってしまうことが多いです。
温泉等で周囲に見られたときに、いわゆる「包茎のペニス」とばれてしまいやすい余り方です。排尿時にむいた皮が尿道の下まで戻るため、尿道に残った尿を押し出してしまい、ペニスを下着にしまった後に尿漏れを起こすこともあります。このタイプにおいて治療を希望なさる方は30%(3人に1人)程度だと思われます。
先まですっぽりかぶる(全体の30%)
亀頭の先まですっぽりとかぶる状態を、重度と扱います。亀頭を露出させても少しの動きで亀頭全体がすっぽりと覆われてしまうことが多く、周囲からはむけない包茎であるカントン包茎・真性包茎と誤解されるケースが多くあります。
子どものペニスのように見られるだけでなく、外から頑丈に守られているため敏感で射精が早いこと、汚れをため込みやすいこと、などデメリットが多い仮性包茎のタイプです。この状態のまま糖尿病になると不衛生な状態で皮が弱り、先端が硬く治ることでカントン包茎や真性包茎になるケースもあります。このタイプにおいて治療を希望なさる方は非常に多く40%(2人に1人弱)だと思われます。
仮性包茎の原因
「なぜ自分は仮性包茎になったのか?」と、原因についてご質問をいただくケースも少なくありません。「ペニスの長さ、大きさ以上に皮が多い状態」は生まれ持ったものなので、患者様本人にはいかんともしがたい面があります。その対策は、ペニスの成長期に戻るしかありません。包茎ではないペニスは、亀頭と陰茎が十分に成長し、ペニスの長さと皮の長さのバランスがよい状態です。
ペニスが成長する時期に皮をむき亀頭を露出させ、亀頭と陰茎が皮の圧迫によって成長を妨げられる環境を防ぐことが大切です。男のお子様がいらっしゃる方は、ぜひ成長期前に指導してあげてください。そのほか、亀頭が小さいため引っかかりがない、皮が厚くむいた状態を維持できない、なども皮がかぶる要因となります。
仮性包茎のリスク
仮性をはじめ包茎全般に言えることですが、包茎の状態は「見た目が悪い」「不衛生」「小さい、射精が早いなど機能的にマイナス」だけでなく、「炎症を起こしやすい」「性病に感染しやすい」などのリスクがあります。包皮に包まれて不潔な状態が維持されるため、包皮炎など炎症を起こしやすい、性病に感染しやすいことが医学的にも証明されています。
下記の(上からと下からの)写真は、ほこり・垢・尿・精液のカスが皮の内側に付着し、皮に包まれ蒸れたことによって白い糊のようなものが付着した状態になります。これは恥垢(ちこう)と呼ばれ、炎症や不快なにおいの原因となります。
汚れやにおいが原因でパートナーにセックスを拒否されている方、皮がかぶっていることが恥ずかしく長年温泉に行けない方、機能的に自信がなくセックスに踏み込めない方は、精神的にかなりコンプレックスを持っておられます。
このようなネガティブな要素が多いことから、近年はネットで正しい知識を得た方が包茎手術をお受けになるケースが大変多くなっています。手術の決心がつかず迷っておられる方、まずご相談ください。手術をお受けになる理由として圧倒的に多いのは、「見た目がかっこ悪く、人前で脱げない」と「皮に守られて亀頭が敏感で射精が早い」ことが挙げられます。私は20年以上カウンセリング業務を行っておりますが、この理由は入職当時から変わらない「不動の理由1位、2位」ですね。
仮性包茎については私の勤務する青山セレスクリニックでも詳細記載しておりますし、ご来院いただけましたらご相談承ります。
まとめ
- 仮性包茎とは、「皮が多くてかぶってはいるけれど、容易ににむける状態」で重症度によって4つに分類される
- 亀頭と陰茎が皮の圧迫などによって十分に成長できず、ペニスの長さと皮の長さのバランスが悪くなることが原因
- 「見た目がかっこ悪く、人前で脱げない」&「皮に守られて亀頭が敏感で射精が早い」という理由で治療をする方が圧倒的だが、医学的に「炎症を起こしやすい」「性病に感染しやすい」などのリスクもある


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ディスカッション
コメント一覧
包茎の人の方が早漏が多いと聞きますが本当でしょうか?
包茎を直せば早漏も良くなることもありますか?
はじめまして。
コメントをいただきありがとうございます。
当院にお越しいただく包茎の方の7~8割は早漏が気になるとおっしゃいます。
包茎の方の場合、亀頭が通常時から露出しておらず刺激に対して敏感なタイプと、
包皮内板(被った時に内側に面する皮膚)や包皮小帯(裏筋)が敏感なタイプがあります。
包茎手術は包皮内板部を切除しますので、感度の良い内板部がなくなり、亀頭部も通常時から露出させることが可能です。
いずれも包茎手術を行うことによって早漏改善につながります。
ぜひご検討くださいませ。