【画像付き】真性包茎とは？プロが教える原因とリスク
真性包茎の方は非常に悩まれてご来院されます。今回は真性包茎になる理由や重症度の4つの分類、また放置した場合の危険性などのリスクについて、当クリニックの現場の真性包茎症例写真画像付きで解説致します。
真性包茎とは？
包茎の種類の区別がつかない方も、「仮性包茎」とならんで「真性包茎」はお聞きになったことがあると思います。皮が剥むけやすい状態が仮性包茎、逆に皮がむけない状態を真性包茎、と言います。皮の出口が亀頭の大きさよりもせまいため、亀頭を露出できません。例えるなら「Ｔシャツの顔を出す穴がせまく、頭頂部しか出ない」状態です。
子どものペニスのような見た目に悩む方もいらっしゃいますが、それ以上に正常なセックスができない等の機能面、汚れがたまりにおいやすい等の衛生面の悩みからご相談に来られる方が多い状態です。妊活中の奥様が「夫のペニスが真性包茎で、痛がってセックスができない。子作りに影響する。」とご主人を連れてこられるケースも少なくありません。
また、私がカウンセリングでお聞きする限りでは、真性包茎の方は「女性に対して異常に消極的で、風俗以外の女性経験がゼロ（またはほぼない、いわゆる童貞）」ということで悩んでおられる方が大変多いです。
日本人の1～10%の割合は真性包茎だ、と言われたりしますが、１０００人以上の真性包茎を見てきた私の経験からすると日本人のペニスの割合はざっくりと下記のようなイメージです。真性包茎はカントン包茎と合わせて男性全体の1割程度はいるのではないかと思います。この内、真性包茎は8％、カントン包茎は2％くらいです。
上記それぞれの包茎タイプの中でおよそ2～4割の方が治療をされますので、実態としてはもう少し包茎のままの方は少なくなります。
真性包茎の種類
真性包茎には重度も軽度もなく早めに治されることをおすすめしますが、あえて段階を作るのであれば以下の４つに分類されます。
- 出口が小さなピンホールしか開いておらず、かろうじて尿が出る。
- 尿道口（尿の出るタテ線）まではむくことができる。
- 時間をかけて無理やり剥くと、亀頭の先端は出せる。
- きつい状態を我慢して亀頭を露出させると、皮を戻すことが困難。
上記の①は、先端に数ミリの穴が開いているだけです。毎日尿が出るためふさがらずに尿の出る穴のみ開いている、という状態です。私の務める青山セレスクリニックにも年間で数名この状態の方が来られますので、決して珍しい状態ではありません。なお以前は普通にむくことができたのに、糖尿病によって真性包茎になり小さな穴しか開いていない、というケースも増えております。
④は時間をかけてゆっくりむくと亀頭が露出することができます。が、その後皮を戻すことができないため亀頭がうっ血状態（血液が亀頭へ行かなくなること）となり、大変危険です。剥き方にも気をつけ無理に剥くことは絶対におすすめしません。
真性包茎の原因
人は生まれながらにして真性包茎の状態です。赤ちゃんのペニスの皮の出口は固くロックされ、むいても尿道口のタテ線がかろうじて見える程度。亀頭の形はまだ形成されていないことも多く、皮の内側と亀頭が一体化している「癒着（ゆちゃく）」と呼ばれる状態がほとんどです。ではなぜその後小学生・中学生・高校生と成長していくにつれて、包茎でないペニス・仮性包茎・カントン包茎・真性包茎と人によって分かれていくのでしょうか。子供が身体の成長とともにペニスが大きくなっていくと、癒着した皮と亀頭が少しずつ離れていき、亀頭として独立した部位になります。それとともに皮の先端の出口も少しずつ開いていき、完全にむけた状態やゆるい締め付けのない皮の出口となるのです。
子供も乳児の段階から少しづつ皮をむくことで、癒着をはがし皮の出口を広げていくことが大切です。ご自分ではどうすることもできないのですが、男児のお子様をお持ちの方はさっそく行ってあげてください。最近は乳幼児の検診の際、包茎のチェックと皮をむく指導が小児科医や看護師から行われています。早い段階でむくことの大切さが医療の現場では当たり前になっています。とは言えママさんたちからは、「皮のむき方なんてわからない」と困惑する声も多いようです。お子さんを真性包茎にしないために、しっかりとむいてあげることが大事です。
真性包茎のリスク
大きく真性包茎のリスクには下記の3つがあります。
- 正常なセックスが困難
- 不衛生な状態
- 癒着（ゆちゃく）の発生
以下にそれぞれ解説致します。
正常なセックスが困難
真性包茎でもっとも困ることは、「正常なセックスが困難であること」です。マスターベーション（オナニー）で射精することはできるものの、相手に挿入すると皮の出口が引っ張られ痛みが生じるため、女性へ快感を与えるほどのピストン運動を行うことはできません。前述したとおり、子作りをお考えの夫婦の場合は女性の膣の中で射精することができないため、妊娠のために真性包茎手術をお受けになる方もいらっしゃいます。膣内で射精ができたとしても皮の中の汚れによって精子の動きが悪く、妊娠させにくいという説もあります。また彼女さんから要望で真性包茎の彼氏がご来院することも多いです。
そもそも「真性包茎が原因でまともなセックスができず、結婚まで至らなかった。」「痛みと恥ずかしさでセックスをすることが苦痛なため、女性と付き合えない。」という真性包茎の方は大変多くいらっしゃいます。勃起したまま不意に皮がむけてしまい、亀頭が締め付けられて青くなった状態でクリニックへ駆け込んで来られる方もいらっしゃいます。
不衛生な状態
衛生面で考えると、真性包茎は非常に不衛生な状態です。生まれたときからほぼ洗えない状態が続いているため、汚れが地層のようにたまり悪臭を放つケースが多くあります。この「悪臭を放つ」ことに本人はほとんど気付きません。セックスの際、ペニスに近づいたときに女性が気付くのです。とは言え女性から「ペニスが臭い」とは言いづらいため、セックスを敬遠されることが多いようです。言葉は悪いですが、臭いと汚れのかたまりを女性の口や膣に入れる（いわゆるフェラ）、というのはエチケットとしてありえませんね。
癒着（ゆちゃく）の発生
もう一つ真性包茎のリスクとして挙げられるのは「癒着（ゆちゃく）」を起こすことです。露出して洗われていない不衛生な亀頭は皮の中で炎症を起こしていることが多く、皮の内側にぴったりとくっつきながら炎症が治癒することで亀頭と皮が一体化していきます。完全に一体化すると、むくことはできなくなり、手術で亀頭の形を作ることも困難になります。真性包茎を放置する期間が長ければ長いほど、癒着のリスクは高まります。亀頭が露出させられなくても皮の出口からお湯を入れて、定期的に洗い癒着を防ぐようしてください。
私は真性包茎はデメリットが多すぎるため、いち早く治療をおすすめしております。女性にとっても「まともなセックスができない状態」「不潔」「病気」というイメージが浸透してしまっているため、女性と付き合うにあたって非常にネガティブな要素となります。
真性包茎の方は「皮がむけ、常に亀頭が露出していることの快適さ」がわからないため、まずいと思いながら放置しているケースもあるようです。私の印象では、真性包茎の方が自ら女性へアプローチすることはほとんどありません。女性の前でペニスを見せたときに、落胆されることを肌で感じているからです。
３０分ほどの治療でペニスに自信を持つことができ、女性に対して積極的になれます。文字通り「ひと皮むけた方」を多く見てまいりました。６０代、７０代で手術を受け、「２０代、３０代で受けていれば結婚できたのに・・・」と若い頃に手術を決心しなかったことに後悔なさる独身男性も多くいらっしゃいます。人生は一度きり。真性包茎で損をしている方は多いはずです。かく言う私、萩原も手術経験者ですので、長年の悩み、決心できないもどかしさはお察しします。だからこそ、勇気を持ってご相談いただきたいです。
まとめ
- 真性包茎とは、「皮の出口が非常にせまく、亀頭が露出できない状態」で重症度によって4つに分類される
- 皮と出口の締め付けの圧迫によって亀頭が成長しないため、出口の幅が広がらずむけない状態が維持されている
- セックスで痛みを生じることが多いため、子作りに影響し悩む夫婦、カップルも多い
- 真性包茎を放置しておくと、皮の中の炎症が原因で亀頭と皮が一体化する「癒着（ゆちゃく）」を起こす。癒着すると皮をむくことは不可能となる
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