【医師が解説】亀頭と包皮が癒着した時のはがし方

コラム

「亀頭と皮が癒着(ゆちゃく)している包茎」などの記述をご覧になったことはありませんか?

今回は、包茎によって癒着を起こしてた状態の亀頭と皮の治療について、解説します。ちょっと痛々しい話かもしれません!!

亀頭と皮が癒着によって一体化した状態。

子どもの生理的癒着は自然に剥離

亀頭と皮がくっついている状態を「癒着(ゆちゃく)」といいます。ニュースなどで、「政治家と業者が癒着し・・・」などの表現でお聞きになったことがあると思います。

密着し一体化している状態を指しますが、男性は生まれたときは真性包茎で、亀頭と皮が癒着した状態です。つまり、赤ちゃんの亀頭は皮と一体化しており、皮がむけない状態となっています。

癒着した子どものペニスは、どうやって治るのか?

ペニスの成長とともに、亀頭と皮は徐々ににはがれていきます。亀頭や陰茎が大きくなるとともに、ノリがはがれるように自然に癒着が剥離していくのです。ほとんどの方がある程度の年齢までに、癒着がはがれて独立した亀頭が完成します。

が、強いカントン包茎や真性包茎のまま成人を迎えた場合、皮の圧迫によって亀頭や陰茎が十分に成長せず亀頭と皮の癒着が残ったままとなるケースがあります。この場合、自然に癒着が剥離していくことは難しくなり、自分で治すことも無理だとお考えください。

癒着部分の腫れが痛い時の対処法

亀頭と皮の皮膚が一体化しているわけですから、自分で無理にはがすことはできません。たまに自己流で無理に皮をむいてはがそうとする方がいらっしゃいますが、医師が手術ではがす作業に時間を要するのに、自分で行うことはとても危険です。

腫れあがる、出血する、痛みが続く、という結果になると思われ、到底おすすめできません。無理に自分で癒着をはがそうとし腫れや痛み、出血が起きた場合はそこでストップし、医師の診断を仰ぐようになさってください。皮が戻せない、雑菌によって感染する、などのリスクがあります。

成人の包茎を放置すると癒着しやすい

包茎を放置しておくと、亀頭と皮が癒着したままで完全にむけないケースは多くあります。皮の出口が締め付けているカントン包茎、皮がむけない真性包茎の状態を放置なさっている方は、癒着している可能性があります。

皮の中で一度癒着がはがれたものの皮をむかずに放置した結果、亀頭が炎症を起こしふたたび亀頭と皮が癒着を起こす、というケースもあります。

成人の包茎を放置しておくことでそのリスクは高まりますので、早い段階で皮がむけ亀頭が完全に出せる状態にする、皮をむいて亀頭全体をしっかり洗い炎症を起こさないよう清潔を維持する、ことが大切だとお考えください。

真性包茎の癒着は電気メスで剥離

上記画像の場合、癒着した皮をはがし亀頭の形を作る必要がある。

真性包茎手術を行うと、かなりの確率で亀頭と皮が癒着を起こしているケースがあります。癒着を放置したままにはできないため、ぴったりとくっついた亀頭と皮を少しずつはがしていく作業を行います。
メスや電気メスでゆっくりと剥離し、亀頭の形を作っていきます。経験のある熟練した技術を持つ医師でないと、癒着した亀頭の包茎手術を行うことは難しいといえます。

まとめ

  • 亀頭と皮がくっつき一体化している状態を、癒着(ゆちゃく)という。
  • 自分で無理に癒着をはがそうとすると、腫れ、出血、感染を起こすリスクがある。
  • 成人になって包茎を放置している場合、癒着のリスクが高まる。
  • 癒着している亀頭は、メスや電気メスですこしずつ剥離して亀頭の形を作っていく。

2019年1月25日コラム亀頭, 剥離, 炎症, 真性包茎, 陰茎

Posted by 医師 元神 賢太