【医師執筆】カントン包茎を自力で治すことは可能なのか?

包茎の種類, 真性包茎

こんにちは、船橋中央クリニック・青山セレスクリニック東京青山院・埼玉川口院 理事長の元神賢太です。今回は「カントン包茎は自力で治せるか?」について検証します。

カントン包茎の見分け方

カントン包茎は、皮の出口が締め付ける「皮がむけにくい」状態の包茎です。

カントン包茎を治す方法

カントン包茎は、「簡単に皮がむける仮性包茎」「皮がむけない真性包茎」に比べ、マイナーな包茎の名称かもしれません。
分かりやすく言うと、「皮をむくことはできるが、むけにくい状態」の包茎です。
仮性包茎と真性包茎の中間レベルの包茎、と言えます。
包茎の分類は、「皮の出口の締め付け方」で決まり、カントン包茎は軽度、中度、重度と締め付けの度合いによって分けられます
皮の締め付けは成人となってからは自然に治すことは困難で、18~20歳前後までカントン包茎の方は、自然に治ることはない、とお考えください。

カントン包茎は悪化する?

カントン包茎は悪化して、より皮がむけにくくなるケースはあるのでしょうか?

カントン包茎が悪化するとどうなるか?

「カントン包茎が悪化する」というのは、皮の出口の締め付けが強くなることを指します。大人になってから包茎のレベルが進む、悪化するということはあるのでしょうか?
答えは「ある」です。
締め付けの強いカントン包茎は、亀頭が外に露出する機会が極端に少なくなります。そのため、尿・汗・垢が亀頭と皮の間に溜まり、不衛生な状態で蒸れることになります。
それによって亀頭と皮の内側が炎症を起こします。この炎症が厄介で、カントン包茎を悪化させる要因となります。
勃起すると皮の出口に亀裂が入り、その亀裂から雑菌が入ることで炎症が進みます。皮の出口が固くなり、よりむけにくい状態となり、締め付けのレベルが強くなります。
締め付けのレベルが徐々になっていくと、重度のカントン包茎や、皮をむくことができない真性包茎に症状が進むことがあります。
特に糖尿病の方は、要注意です。

また炎症が進むことで、ぴったりとくっついている亀頭と皮の内側が一体化することがあります。
これを癒着(ゆちゃく)と言い、一度くっつくと自然に治ることはありません。徐々に癒着のエリアが広がり、まったくむけない状態に悪化していくこともあります。

カントン包茎が悪化した場合の対策

カントン包茎が悪化した場合、改善させる方法はあるのでしょうか?
結論から言うと、手術以外の方法はありません
皮の余りと締め付けと取り除き縫合する、包茎手術が唯一の改善方法となります。
無理をして皮をむくと戻せなくなり、亀頭の下で太い輪ゴムや針金を巻いた状態となり、亀頭へ血液が行かず亀頭が壊死(えし)してしまうことがあり大変危険です。

カントン包茎は自然治癒が可能か?

カントン包茎は自然に治っていくものでしょうか?

カントン包茎は治したいけど、治療は怖い・・・

このサイトをご覧になっている方が14~15歳の方であれば、軽度のカントン包茎は自然治癒する可能性がなくはありません。
亀頭が成長することで皮の出口が内側から広げられ、サオが延びることで亀頭が徐々に露出する可能性もあるからです。が、それ以上の年齢の場合、カントン包茎が自然治癒する可能性はほぼゼロと言ってよいと思います。

「カントン包茎は治したいけれど、治療は怖い・・・」というお気持ちはわかります。
が、将来に渡り排尿、温泉、性行為・入院・介護の際に不便で恥ずかしい思いをするくらいであれば、どこかのタイミングで包茎手術を決心なさることが精神的にも楽になるかと思います。
手術が怖い方も、完全無痛麻酔で痛みなく手術をお受けいただくことが可能です。安全に美しい仕上がりにすることが可能です。一人で悩まず、ぜひご相談ください。

カントン包茎は、保険が適用できる?

重度のカントン包茎は、保険適用で手術が受けられます。ただし、「環状切開法」というペニスの中央部分で皮を切除・縫合する方法のため、皮がピンクと茶色の二色にハッキリと分かれる「ツートンカラー」となる、亀頭から離れた目立つ位置に傷が残る、など治療跡に難があります。
のちのち当院のような専門クリニックで修正手術を受けるケースも少なくありません。

まとめ

・簡単に皮がむけない包茎の状態を、カントン包茎という。

・カントン包茎は不衛生な状態となるため、悪化して重度のカントン包茎、皮がむけない真性包茎となることもある。

・カントン包茎は、手術以外の方法では治せない。

・重度のカントン包茎は保険適用で手術を受けられるが、治療跡が汚く仕上がる。