【医師が解説】保険適用の包茎手術ってどうなの?
こんにちは、船橋中央クリニック・青山セレスクリニック東京青山院・埼玉川口院 理事長の元神賢太です。今回は「保険適用の包茎手術」について解説します。
この記事の目次
健康保険が適用する包茎手術について
包茎手術を保険適用で受けることができれば、料金は安く済むので大きなメリットですね。でも、自由診療の専門クリニックで受ける方が多いのはなぜでしょうか?
健康保険による包茎手術のメリット、デメリット
包茎手術は私たち専門クリニックだけでなく、一般病院の泌尿器科でも受けることができます。
「重度のカントン包茎・真性包茎」など、日常生活に支障をきたすレベルの包茎は保険適用で手術を受けることが可能です。
「同じ包茎手術が保険適用で安く受けられるなら、保険で受けたい!」とお考えの方もいらっしゃると思いますが、当院のような専門クリニックとの大きな違いは「治療跡の美しさ」です。その治療跡の違いを比較し、「人前で堂々と脱げる美しい仕上がりに」と考え、少し金額に差があっても当院のような自由診療のクリニックで包茎手術をお受けになられる方が多いのです。
保険適用で受けられれば比較的安い金額で治療を受けられるため、できるだけ費用を抑えて手術を受けたい方には一つの選択肢になるでしょう。ただし保険適用の場合は、「治療跡の美しさ」という点を残念ながら諦めなければなりません。
保険適用の包茎手術は、
1、重度の包茎と認定された場合のみ適用(希望者がもっとも多い仮性包茎には適用しない)。
2、患者様側の希望日で手術はできず、病院側の都合に合わせる必要がある(数か月待つこともある)。
3、日帰りではなく、入院が必須な場合がある。
4、保険適用の手術は方法が決められており、環状切開法(かんじょうせっかいほう:ペニスの中央部分で皮を切除し縫合する古い手術方法)で行われる。
泌尿器科と専門クリニックで包茎手術で差はあるか?
保険が適用となる「環状切開法」とはどのような方法で、なぜ保険適用で安いのに男性が敬遠する治療方法なのでしょうか?
環状切開法は保険適用で行われる包茎手術法ですが、ペニスの中央部分で皮を切除し縫合する方法です。そのため、治療跡がペニスの中央部の目立つ位置に来ること、皮の色が2色に分かれることから手術を受けたことが一目瞭然となります。
- 環状切開法は、ペニスの中央部分で皮を除去し縫合する。
- 皮がピンク色と茶色の2色に分かれたツートンカラーとなる。
- 縫合部分がペニスの中央部分に来るため、ひと目で手術を受けていることがわかる。
- 余分な皮の量を細かくデザインしないため、手術後もかぶる、勃起時に皮が不足するなどの不具合が生じる。

環状切開法を行う医師たちも「汚い傷跡の治療方法である」とわかっていますが、「重度の包茎を治すことが先決。包茎が治るのだから治療跡はさておき」と考えています(「自分なら環状切開法で包茎手術は受けない」と考える医師が多いと思います)。とは言え、その後汚い治療跡のペニスで生活していくのは患者様です。
一方、当院のような包茎手術専門クリニックでは、主に「亀頭直下埋没法」と呼ばれる亀頭の真下で皮を切除、縫合する治療法で行います。
亀頭の真下で傷跡が隠れるため、周囲に包茎手術を受けたことが分かることはありません。
自由診療の治療となりますが、亀頭直下埋没法手術の仕上がりの美しさは、保険適用の手術と比較すると非常にコストパフォーマンスがよいと思います。

ペニスは男性にとって大切な部分。患者様が手術後に後悔する結果とならないように、周囲にひと目でばれてしまうような治療跡がペニスに残ることを一般病院側もしっかりと説明すべきです。患者様にとって保険適用で安く受けられることは確かにメリットですが、自由診療治療との治療跡の差を理解したうえでお受けになることをおすすめします。
包茎手術の費用が知りたい!
皆さんが「包茎手術の結果・傷跡」と同じくらい気にされる、保険適用と自由診療の料金の違い、相場についてご説明します。
包茎手術の料金はどれくらい?
保険適用となる包茎手術は、重度のカントン包茎や真性包茎など「日常生活に支障をきたす状態の包茎」という条件が付きます。
一方の自由診療の包茎手術は、仮性包茎を含めどのような包茎も対応します。
保険適用と自由診療の包茎手術の大きな差は、「包茎手術後の治療跡」とお伝えしましたが、料金の差はどうでしょうか。
包茎手術の料金に相場はあるか?
保険適用の包茎手術の場合、手術料金は約2万円、自己負担額は3割ほどの7000円が目安となります。その他初診料、再診料、薬の処方代が追加され、自己負担額は4万円ほどとなります。
自由診療の包茎手術は、仮性包茎、カントン包茎、真性包茎など包茎の度合いにより料金が異なるケースが多いです。
・仮性包茎 7万円~12万円前後
・カントン包茎 12~16万円前後
・真性包茎 14~20万円前後
カントンや真性包茎の場合、強い締め付けの場合や皮と亀頭が癒着(ゆちゃく:くっついていること)を起こしている場合、縫合する糸の種類によって別途料金がかかるケースがあります。
自由診療の料金は、各クリニックで自由に設定することができます。上記はまっとうなクリニック野相場であり、中には「ぼったクリニック」と揶揄される非常に高額な額を請求するクリニックもありますので注意が必要です。
切らない包茎手術とは?
切らずに包茎が治せる手術があったら、包茎手術を受ける方は相当増えると思います。
切らない包茎手術で包茎は治るのか?
保険適用にせよ自由診療にせよ、包茎手術に共通するのは「余分な皮を切り、縫合すること」です。「切るのは怖い!」と包茎手術を決断できない方にとって、「切らない包茎手術」は魅力的ですよね。
そもそも「切らない包茎手術」は、存在するのでしょうか?
現在はほとんど行われていないのですが、切ることに不安がある方のために実際に「切らない包茎手術」は存在し、以下のような方法がありました。
1、亀頭増大による包茎治療:亀頭に注射剤を注入し増大することで、皮がかぶらなくする方法です。ただ、亀頭のカリに少し皮が乗る程度の「超軽度の仮性包茎」の方には効果が望めますが、ほとんどの包茎の方には効果的ではありません。
2、ペニスの根元で皮を留める包茎治療:ペニスの根元部分に皮を集め、特殊な糸やノリで皮同士をくっつけてかぶらなくさせる方法です。上記の亀頭増大による方法と同様に、超軽度の仮性包茎の方にしか効果は望めないため、20年ほど前に一時的に流行し、現在ではほとんど行われていません。
3、長茎術による包茎治療:ペニスの長さを引き出す治療を受けることによって、皮が後ろに下がり包茎を改善する治療です。1、2と比較すると包茎の改善が見込めるケースは多いですが、皮の余りが多い場合は治療後もかぶってしまいます。
まとめ
- 重度のカントン包茎・真性包茎手術は一般病院で保険適用の手術が受けられるが、ツートンカラー+目立つ位置に縫合跡が残るため治療跡が汚い。
- 保険適用の包茎手術の場合、手術料金は約2万円、自己負担額は3割ほどの7000円が目安。その他初診料、再診料、薬の処方代が追加され、自己負担額は4万円ほどとなる。
- 自由診療の包茎手術は、仮性包茎、カントン包茎、真性包茎など包茎の度合いにより料金が異なるケースが多い。
・仮性包茎 7万円~12万円前後
・カントン包茎 12~16万円前後
・真性包茎 14~20万円前後 - 切らない包茎手術も存在するが、軽度の仮性包茎にしか適用しないケースが多い。


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