【医師執筆】包茎手術はどのような手順で行われるの?
こんにちは、船橋中央クリニック・青山セレスクリニック東京青山院・埼玉川口院 理事長の元神賢太です。今回は「包茎手術の手術時間と手順」について解説します。
手術時間と手順は患者様からのご質問も多い項目ですので、より詳しく解説していきます。
この記事の目次
包茎手術の手術時間は?どんな手順で行われる?
ここでは一般的な包茎手術にかかる時間や手順についてご紹介いたします。
包茎手術の時間はどれくらい?
手術の手順の部分とも重なる話ですが、包茎手術は「除去する皮の幅を計測するデザイン」「麻酔」「皮の切除」「縫合」の4つの工程があります。
包茎手術に要する時間は、包茎の状態によって変わります。
「皮の締め付け方」のレベルによって、時間が変わると言えるでしょう。
仮性包茎でも皮の締め付け方は様々あり、ゆるい状態からややきつい状態まで様々な「レベル」があります。
もっと締め付けが強くなるカントン包茎、むけない真性包茎は仮性包茎よりも時間を要します。
真性包茎でも亀頭と皮が癒着(ゆちゃく:くっついていること)していると、さらに時間がかかります。
仮性包茎手術で20分前後、カントン包茎手術で25~30分前後、真性包茎手術で30分前後、癒着している真性包茎は35~45分前後、となります。
上記は包茎手術の経験が多いドクターの手術時間の目安となり、手術経験があまりないドクターの場合はこの倍以上の手術時間を要すると思います。
包茎手術のくわしい手順と流れ
包茎手術の手順は、①取り除く皮のデザイン、②麻酔、③皮の切除、④縫合、という4つの工程で行います(③と④の間には、止血などの処置も入ります)。
①の「取り除く皮のデザイン」は、包茎手術の結果を決めるもっとも大事な作業です。
平常時と勃起時の差を測り、皮の伸び率を予測し、皮を取り除く位置をマジックでデザインしていきます。このデザインがうまくいかないと、勃起時に皮が不足する、平常時も皮が余ってかぶる、など不満足な結果となります。
②麻酔は完全に居眠りをした中で行う「完全無痛麻酔」と、皮の部分に極細の注射針で麻酔する「局所麻酔」の2種類があります。完全無痛麻酔の場合、ウトウトと居眠りをしているうちに治療が終了するため、治療中の痛みはもちろん、意識もありません。
局所麻酔は注射による麻酔となり、皮を爪先でつねる感覚があります。十分に麻酔が効いてから治療を開始するため治療中の痛みはまったくありませんが、意識はあります。
「寝ている間に包茎手術が終わってほしい」とお考えの方には、完全無痛麻酔をおすすめします。
③デザインした位置に合わせて、皮を取り除いていきます。勃起や感覚をつかさどる大事な神経は、ペニスの非常に深い部分に通っていますので、ベテランのドクターがそういった神経を傷付けることは考えられません。とは言え、非常に慎重に行う工程となります。
出血した箇所を高周波メスで止血し、縫合を行います。
④縫合はできるだけ傷が盛り上がらないように、フラットな状態に仕上がるよう縫い合わせていきます。
当院の治療方法の場合、亀頭直下で縫い合わせるため、治療直後から縫合部分が目立ちにくい仕上がりとなります。
写真で見る包茎手術の手順
画像付きで包茎手術の5つの流れを紹介いたします。
包茎手術の手順を写真付きで解説





平常時のペニスを引っ張ることで、勃起時の長さがわかります。皮の伸び率も計測することで、勃起時に皮が不足しないようにデザインします。亀頭の真下から余分な皮の幅をマジックで印を付け、切除する位置を確定させます。
デザインに沿って皮を切除し、高周波メスで止血を行い、縫合します。写真は抜糸式の黒い糸を使用しておりますが、亀頭直下で縫合しているため傷は目立ちません。
包茎の治し方
包茎手術は「切る方法」と「切らない方法」に分類されます。
「切らない方法なら不安がなく受けられそう!」とお考えの方も多いですが、ほとんどのクリニックが「切る方法」で治療を行い、患者様も切る方法を望まれます。その違いはなんでしょうか?
切らない包茎治療で包茎は治る?
怖くて包茎手術が決断できない方にとって、「切らない包茎治療」は魅力的ですよね。
そもそも「切らない包茎治療」とは、どのような方法でしょうか?
現在はあまり行われていないのですが、切ることに不安がある方のために以前はいくつかの方法がありました。
・亀頭増大による包茎治療:亀頭に注射剤を注入し増大することで、皮がかぶらなくする方法です。ただ、亀頭のカリに少し皮が乗る程度の「超軽度の仮性包茎」の方には効果が望めますが、ほとんどの包茎の方には効果的ではありません。
・ペニスの根元で皮を留める包茎治療:ペニスの根元部分に皮を集め、特殊な糸やノリで皮同士をくっつけてかぶらなくさせる方法です。上記の亀頭増大による方法と同様に、超軽度の仮性包茎の方にしか効果は望めないため、20年ほど前に一時的に流行し、現在ではほとんど行われていません。
切る包茎手術をおすすめする理由
亀頭に皮がかぶる原因は、そもそもペニスの長さに比べ皮が多いことにあります。
ペニスは勃起時に長さが変わる、という特殊な部位であったとしても、その長さの差を予測すれば余分な皮はきれいに除去できます。
「切る」という言葉は怖いかもしれませんが、経験豊富なドクターが手術を行えば、安全・確実に包茎を治すことが可能です。将来的に皮が伸びていくこともないため、切る方法で治しておけば包茎に戻ることはありません。
せっかく受けるのであれば、ふたたび包茎に戻る可能性が高い切らない包茎治療を受けるよりも、切る手術を受ける方が確実です。切る包茎手術は不安で決心がつかない方、ぜひ私たち専門クリニックへご相談ください。
まとめ
・包茎手術の時間は、仮性、カントン、真性など状態によって変わる。
・包茎手術は、「取り除く皮のデザイン」「麻酔」「皮の切除」「縫合」という手順で行う。
・切らない包茎治療では、ふたたび皮がかぶるケースが多い。
・切る包茎手術であれば将来的にも包茎に戻ることはないため、専門医は切る包茎手術をおすすめする。


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ディスカッション
コメント一覧
真性包茎の治療のためにレーザー手術を受け、男性機能が喪失する事故があったと耳にしました。過去にそういったトラブルが実際に起きたことはありましたか?
ご質問ありがとうございます。
当院では包茎手術は亀頭直下埋没法、根部切除法で行っており、レーザーは一切使用しておりません。
今までにそのような例は一切なく、男性機能が喪失するようなことは一切ございませんので安心してご相談ください。
包茎を治すために手術を受ける予定ですが、男の自信をもっとつけるために当日シリコンボールを入れることはできますか?
どうぞよろしくお願いします。
ご質問ありがとうございます。
シリコンボール挿入は包茎手術と同時に行うことができます。
同時に行う場合、シリコンボール挿入による切開が不要となり、包茎手術の傷のみで仕上げることができるためよりきれいに仕上げることができます。
実際に多くの方が包茎手術と同時に受けられている治療です。
是非ご検討くださいませ。